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「な…んで。」
「その続きは、なんでここにいるのか?それとも…なんで電車の人だと気付いたのか?」
私を見つめるその瞳は、心の奥深くに眠る何かを覗こうとしているかのように冷たく、私を動揺させるには充分すぎるほど鋭いものだった。
「……。」
「まずひとつめ。会ったのはたまたまですよ。ここは僕のお気に入りの店でね。
もうひとつは――」
「お、榊来てたのか。」
「マスター、いつものね。」
「はいはい。」
話だそうとした男の人の声を遮りマスターが話しかける。
"サカキ"と呼ばれる人はマスターにただ一言伝えるとこちらに顔を戻した。
「…髪の毛おろしてコンタクト。服装も全然違いますね。」
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