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「じゃあ、明日早いので。」 本当は何も予定なんかないくせに私は、嘘をついた。 「コトハさん。」 「…はい。」 バレるわけはないのに、この人の瞳に見つめられると心臓が五月蝿いくらいに騒ぎだす。 「また…会えますか。」 「え?」 「いや、その…。」 「また、会えたらいいですね。」 この店の常連だと言っていたんだから、ここに来ればきっと会える。 「そうですね。…じゃあ、また。」 なのに、どうしてこの人はそんなに苦しそうな表情をするんだろう。
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