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「…驚いた」 朝海は横たわっていた だが、少々人の体と判断するには部品が足りないと言わざる得ないがまだ上半身は残っている 「触手に泥か」 溜息を吐いた 「驚いたか?」 「いいや、全く」 朝海のそれは強がりだったが、事実春莉に会った時の方が俄然驚いたに決まっている 「さあ、遺言を残したまえ」 男は無線のスイッチを入れた 無線に残したものはしょうもない行動方針だった そして男は朝海の心臓を踏み砕き無線を切った 「さあ、これで君の蘇生の可能性を絶った」 「あはは、そんな面白いことしなくても僕は死ぬさ」 朝海は乾いた笑いを漏らした 「ねぇ?君たちの正体って」 瓦礫の崩れる音で朝海の声が遮られた 「はっ!」 男は笑い出した 「我々の正体に気付いたか!」 男の笑いに連動して泥は基地を破壊していく 「おもしろい!お前はこのまま楽に殺してやろう!」 泥は朝海の肉体をぐしゃぐしゃに押しつぶし、その存在を完全に消しさった
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