言い訳に、愛を語る舌

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「あいしてるよ。」 貴方が、甘い声で、甘い台詞を囁く時は。 決まって、私のでも、彼女のでもない匂いを、させている時。 抱きしめられて、胸に顔を埋めて、そして、思い知らされる。 この人の、’たった一人’が、私ではないってことに。 それでも、ずるい貴方は、私を突き放すことはせず。 私を手放すこともせず。 懐にいれたまま、懐柔しようとする。 ’愛してる。’ と、たったその一言で、私が、手の内にいると思い込んで。 ----あぁ、愛しい。 莫迦な貴方。 ’愛してる’を、簡単に言い訳に使う貴方が、愛しくてたまりません。 ’愛してる’と、容易く言い訳に使うその舌を、噛み千切って、もう私以外に’愛してる’と、囁くことができないようにしてあげようかしら。 「私も、愛してるわ。ねぇ、だからキス、しましょ。」 END
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