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その直後、鳴り響くのはパイプオルガンのチャイムに詩織は胸をなでおろした。
「じゃ、これは大河内の宿題ってことで」
「はい?」
想定外の台詞に詩織が顔を上げれば、ニヤリと笑う宮城先生の顔。
「次の授業、黒板で解いてもらうからな」
「――えぇ!?」
「どうしても無理なら、教えてやるから後で部屋に来い」
そんな台詞を残し、笑いながら宮城先生は教室を後にした。
「いいなぁ、詩織は」
「宮城先生のお気に入りだもんね?」
聞こえてくる周囲の声に詩織はムスッとした表情を作る。
「なら、変わってよ」
本気で嫌がる詩織に美紀は「まぁまぁ」と肩を叩いた。
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