Blood2:博識ナ女

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まだ日も完璧に昇りきっていない早い時間帯。 正確な情報を提示するのであれば、時刻は朝の4時を回った辺り。 いつもであれば遅刻するかしないかの微妙な時間まで寝ている僕は、しかし今日に限ってなかなか寝付けずにいた。 寝るわけでも夜更かししてゲームをやるわけでも読書をするわけでもなく、ただただ無駄な時間の浪費をしている僕は、なんと勿体ない時間の過ごし方をしているのだろうと、静かに思った。 眠気はなくとも取り敢えずベッドに寝転がっている僕だが、それがかえって意識をハッキリとさせる要因になっているように思える。  いや、僕が寝付けない真の原因はそんなことではなく、ぜんぜん別のことだろう。 鈴山 山葵。 彼女は何故急に僕にあんな当たり方をしてきたのだろうか。 まあ、それ以前にさんざん命をねらわれたりしていたから元よりまともな当たり方……もとい接し方はされていないのだが。 それで、話を戻すが何故彼女は急にあんなことを言い出したのだろうか? 寝れない上に特にやるべきこともない僕は、そういうお題のもと単独会議を開くことにした。 さて、ついさっきの会話を回想してみると、どうやら鈴山さんが不満に思っている点は僕が無駄に人間らしくあろうとしているということらしい。 普通じゃないくせに。 異常なくせに。 人間じゃないくせに。 化け物なくせに。 そんな僕がそれでも未練たらしく人間らしくあろうとしていると鈴山さんは思い、そして不服に思ったのだろう。 自分にはそのような気はさらさらなかったのだが……いや、あえて意識していなかったのかもしれないけれども、それでも僕はあくまで自分は人間ではないということは自負しているつもりである。
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