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「ストーブを出してくるか?」
「まだそんな時期じゃないだろ」
「試験運転だと思えばいいさ。ガソリンのにおいが嫌なら、電気ストーブを持ってこようか?」
「……んなもんどこにあんだよ」
「職員室にある」
「貸すわけないだろ」
「何、頼めば一日ぐらいは貸してくれるさ」
それが出来るのは、成績優秀で教師からの覚えもめでたい大輝だけだ。一般生徒である織子が頼んでも貸してくれはしまい。
「お前な、自分が許されるからって……くちゅっ」
文句を言おうとして、くしゃみが出た。慌てて大輝を見れば、すっと目を細めているところで、しまったと自分の失態を責める。
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