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そして、俺は決心した
もう誰にも遠慮せず、お前に向き合う。
それは、綾、お前にも遠慮はしない。
回りくどいやり方はしない。
ストレートに直接お前をこの手の中に掴みたい。
もう迷わない。
そう決意した。
なんだか清々しかった。
俺の横で眠り、時々顔を歪め「ごめんなさい」と苦しげに呟く綾。
誰かを、何かを求めるように伸ばされた手をギュッと握りしめてやると、心底ホッとしたような安堵の顔をして再び深い眠りについた綾。
俺にも綾のためになにか出来るんだって思って、嬉しかった。
思えば、そんな事さえ俺を有頂天にさせ、浮かれ過ぎた。
だから、俺は一つ間違えをおかしてしまったんだ。
目が覚めた綾をまるで自分の女のように錯覚してしまった。
抑えることができなかった。
この腕の中に広がるお前の香りだけで頭の中がクラクラする。
全身が痺れていくような感覚。
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