友田直樹

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俺はどちらとも向き合えずに逃げた。 バカだろ……俺。 謝るタイミングをすっかり逃した。 追いうちをかけるように仕事が忙しくなって、なかなか二人の時間が作れない。 もう誰にも遠慮しないと決めたあの日から時間だけが無駄に過ぎていた。 メディアへの露出は好きじゃない。 やらなくて済むのならやりたくは無かった。 だけど、仕事を選べるほど確固たる地位を築いてる作家じゃない。 出版社あっての俺。 このご時世、本が売れてない。 作家だって使い捨ての時代 俺は恵まれてるんだと思う。 担当編集者はみな俺の本を売ろうと必死になってくれる。 だから、出版社の助けに少しでもなればと了承した仕事。 まあ、少しでも恩を売っておけば後でなにか好都合な事もあるかもしれないという下心ももちろんあってのことだけど…… そんなんで始めたタレント活動。
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