友田直樹

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車に乗り込み、さて、どこでどう時間を潰そうかと考える。 ウダウダ考えてる間に竜のヤツが来たら面倒だから、取り合えず車を走らせることにした。 わりと大きな幹線道路に出ると、斎藤の店が目に入った。 佐川のパーティに連れ出したときの綾の姿が脳裏に浮かぶ。 着飾った自分に戸惑いながらも、新しいオモチャを与えられた子どものような眼差し。 もっと自分に自信を持てと言いたくなるほどに欲のないお前。 お前は極上の女なんだから。と。 気付けばハンドルを店のパーキングに向けてきっていた。 このところ、斎藤はあらゆる方面に進出していた。 まぁ、と言ってもメインは飲食店。 ここは、お店の女の子達への貢がせものを調達するために客に使わせるジュエリーショップ。 貢がせものでも利益をあげようとするあたり、天性の商売人気質だと感心する。
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