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ーーーここは、素直に店内へ入ろう。
斎藤のことだ。
もうとっくに綾への気持ちなんてバレてるだろうし。
今さらあの驚異的な読心術をもつ斎藤を欺く事なんて無駄に時間を使うだけだ。
「社長自らお出迎え、恐縮です」
「まぁ、友田ちゃん私にそんな嫌味を言えたものかしら？」
テケテケと俺の方へ近づいたかと思えばいきなりムギュっと腕をツネリ上げられる。
痛いだろ。
お前は、男なんだから。
「 まぁ、でも嬉しいわ。最近は、どの店にもご無沙汰なんだもの？
綾ちゃんにすっかり牙を抜かれちゃったみたいね」
フンっと笑った斎藤の顔は言葉とは裏腹に嬉しそうに見える。
「まぁね」
「まぁまぁ。ご馳走さまなことで！さっき新作が入ったところよ。綾ちゃんに丁度いいのもあるわよ」
「いつも助かります」
おどけて頭を下げた俺に「まったく可愛くない」と毒づいた斎藤。
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