友田直樹

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「……どうして?私のこと待っててくれたんじゃないの?」 潤んだ瞳が俺の顔を見上げてる。 この目のためなら何でもできると思ったのはどの位前なんだろう。 月日が流れるってことは恐ろしい。 確かにあの時はそう思ったはずの俺の心は、今は真逆とも言える。 いや、俺の気持ちだけじゃない。 里美、お前の気持ちもきっと俺には無いはずだ。 それを知ったから今がある。 「里美、旦那と何があったのか知らないけど、俺に逃げてくるのはムシガ良過ぎる。俺たちとっくに終わってるだろ?」 「わ、私は、直樹のことがずっと――――」 「里美、これ以上話しても無駄たよ。それに、今アイツをこれ以上傷つけるヤツはたとえ里美でも許さない」 「そ、そんな……私、直樹のことがずっと―――――」 倒れ込むように俺の胸の中へ飛び込んできた里美。 あぁ、イライラする。
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