友田直樹

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夜の女を選んだのは、後腐れなく割り切ってくれると思ったから。 誰でも良かったわけじゃない。 ほんの数ミリでも綾との共通点を見つけられた子だけ。 ヤバイ。病気だと自覚はしてた。 結局俺の目論みは大きく外れて、彼女たちは綾に分かるようにマーキングしていたなんて、その時の俺は気付きもしなかったんだ。 なかなか縮まらない距離にイライラしたり、切なくなったり…… 年甲斐もなく『片想い』なんて、気持ち悪くて絶対口にできないけど。 そう。 俺の中で綾は、日に日に大きく膨らんでいた。 俺を拒絶する綾の態度に変化があったのは、綾が来てから初めて仕事に取りかかった時だった 普段の堕落した生活を引きずらないため、仕事にはそれこそ命をかけるつもりで挑む俺を気づかってくれた、全ての事が嬉しかった。
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