友田直樹

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少しでも俺の事を考える時間があったのかと思っただけで、執筆の疲れなんて一気に吹き飛んでなくなるくらい。 佐川の爺さんのパーティに連れ出したのも、感謝の気持ち半分。 綾といる時間を少しでも伸ばしたかったからって下心半分。 斎藤に綾を任せたのは成功だった。 輝く原石を、眩しく光り輝く宝石に仕立ててくれた。 美しく着飾った綾に、息をするのを忘れたほど魅入った。 またひとつ綾の別の顔を見れたこと。 それだけで十分だったのに、また欲が出て、君をみんなに自慢したくなった。 その結果、君を最悪な恐怖に晒すことなんて、浮かれた俺の思考じゃ考えられなかった。 隣を歩く綾を横目でチラチラ見ながら、「俺の女だ」と周りをけん制した。 それに挑戦してきたのは竜。 美しくなった綾を見た時の竜の顔を見て、俺はかなり後悔したんだ。 閉じ込めておけばよかった。と。
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