友田直樹

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趣味で始めたキックボクシング。 師匠から破門されるかもしれないと思ったけれど、そんなことどうでもよかった。 好きな女を守れないなら意味がないだろ。 華奢な綾の身体を、この腕に抱いた瞬間、俺は初めて生きた心地がした。 だけど、そのすぐ後で立ち直れないほどの後悔に襲われる。 ガタガタと震えた綾を見て、どうすることもできない自分。 どうして俺の傍から離してしまったんだろう。 どうして連れてきてしまったんだろう。 後悔の片隅で、身勝手だけど俺を必要としている綾に嬉しく思う自分にほとほとあきれた。 イタすぎるだろ俺。 ごめん綾、こんな男に付き纏われて……かわいそうだけど…諦めて。
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