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決まったといっても、一体どのような能力にするのかなどを、時間が許す限りヴォルと相談していった。
「姿はどうする?」
「ん~特に何も思ってはいないかな。俺の友人も転生するんだろ?」
「そうだね。姿も変わってると思うよ。記憶は残っているけどね」
「だったら、俺の姿も転生先の雰囲気と違和感無いようにしてくれ」
「りょうかーい」
ヴォルはうなずくと書類に何かを書き込んでいる。
どうやら俺の姿についての欄だけが開いていたらしい。
ヴォル曰く、転生者の魂が覚醒するのは魔力を開放するときという決まりがあるという。勇者として転生するものは最初から魔力が開放されているが、神側の事故による者はどのタイミングで魔力が開放されるかはっきりしないという。
すべての準備が整い、ようやく俺は転生することになった。
勇者であり俺が殺したということになっている友人、あいつも書類政策に時間をかけていたらしく、俺はそいつと同じ年に生まれるということがわかったのは、転生する直前だった。
「何でこのタイミングだよ」
「なんとなく!」
それだけで、結構重要な内容を俺に伝えてくる。
そしてヴォルは、微笑みながら俺に手を振った。
「じゃあ、いってらっしゃい。二度目の人生だけど、楽しんできてね」
「わかった。ありがとう。」
それだけ言うと俺の意識は沈んでいった。
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