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リュックには、いつものマル秘道具、それに着替え、金欠の財布……
レンタカーで借りてきたシルバーのヴィッツ。助手席には相棒のリュックが乗っていた。
――おせーよ、秋雄。俺様はいつだってお前に気を使って生きているっていうのに……。
玄関前に車を停め、彼らが下りてくるのを待っていた。助手席がノックされる。気付いた俺は助手席の窓を開けた。
「ごめんなさい信介さん、準備に手間取ってしまって……」
「いいえ、絵恋さん。今日もとっても可愛いです!」
満面の笑顔で言葉を返すと、絵恋は安心したように後部座席へと乗り込んだ。
――チッ、助手席じゃないのか。
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