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「で、何で今日はガルーラなんだ?何かあるのか」
氷の都ガルーラ。
寒冷地区に存在し”女王グラキエス”が納める芸術の都だ。
街のあちこちに氷で出来たオブジェが建てられており、城壁から街の中央へと歩いて行くことでオブジェが物語になっている。
クエストを受けていくにつれてこのことに気付いたことは懐かしい。
「明日の6時にアップデートがあるのは知っているだろう?」
「ああ、何でも今までと違って色々と一新されるんだったっけ?それが何?」
明日の午前6時、このVR世界において大型アップデートが行われるというのは既に知ったる所。
定期的なメンテナンスや小型の補修アップデートは今までに何回かあったが、従来のモノとは違いかなり大規模なアップデートは今回が初めてである。
ただまだ半年程しか運営していないのだが。
「何でも掲示板とかの情報によると、ガルーラのクエストで手に入るタマゴが二度と手に入らなくなるらしい」
「タマゴ?……あぁ、あのペットに出来るやつか」
「そう。ランダムだけど最低でもピュールが手に入るタマゴ。それを今のうちに大量に手に入れて貯めておけばもしアップデートで手に入らなくなったら高く売れるし、そうでなくても羽化させて売ればそれなりの金にはなるしさ」
ピュールとはキャラバン等の馬車を引くほどの力がある鳥型の生物であり、全長2メートルと大きく空は飛べないが翼だってある言う所のダチョウである。
「じゃあそれでいいけど、ついでに結晶とかも採らせてくれよ」
「分かってるよ。じゃあジョン」
「了解。モートス」
瞬間、3人の姿は光とともに消えた。
ガルーラでのクエストは至って簡単な初心者用のクエストだ。
VRの魔法世界では最初に始める時に街を選べる選択制の為、各町に初心者用のチュートリアルとクエストが用意されている。
今回受けたクエストも本来はそういった人向けのクエストだが、玄人の俺達でも受けられるし報酬もいいため結構人気があるのだ。
何十回クエストを受けただろうか、報酬のタマゴをボックスへと仕舞う。
「よし、そろそろ十分な数が溜まったし終了にするか」
「そうだね。僕もそろそろバイトの時間だから起きなくちゃいけないし」
「俺のボックスはもう結晶やら鉱石やらでパンパンだよ。さすがにもう入らないしな。しかしパン屋の朝は早くて大変だな」
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