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待つこと数分、コマンド画面のリアルタイムを表示している時計でPM10時に5前の時、待っていた人物がやって来た。
「おう、お待たせ」
「よう」
いつもの他愛のない挨拶を交わし、銅像の前へとやって来る。
来たのは「ジョンスミス」という俺のリア友でいつもつるんでいる仲間の一人。
VR世界ではアバターと呼ばれる操作することの出来るキャラクターを製作することが出来る。
もちろんこいつも現実とは似ても似つかない仕様にしている。
エルフに憧れていたらしく耳は長く尖り、髪の毛はサラサラの金髪ストレートを後ろで一つ縛り。
目はやや尖り気味の碧眼が白い肌が印象的だ。
もう完全に誰、お前?状態である。
ちなみに俺はそんなに弄ってはいない。
自分の顔を予めデータで取り込んでおいた為、髪と瞳は黒のままだ。
ただ顔のホクロなどは少し消したり、輪郭をシャープにしたくらいはしたが知り合いがいたら一発で俺だと分かる程度だ。
ちなみに俺達2人と今はいないがもう1人が装備している装備はカオス・シリーズと呼ばれるもの。
名の通りカオスドラゴンと呼ばれるこの世界でのドラゴン種の一種を元にして製作された装備である。
黒い光沢のある鱗が特徴で、それを幾重にも編み込み耐久度は抜群である。
因みに作ったのは生産職を選択した俺である。
「で、今日は何処行く?」
ジョンスミスが今日の予定を聞いてくるが、正直決めてないし分からない。
いつも何処に行くか決めていたのはもう1人だし、俺たちは基本的には付いて行くだけだった。
俺に至っては生産職のため装備用の素材を手に入れられればいいので、完全に付いて行くだけという状態であった。
「鈴木が来てからでいいだろ。どうせあいつが何か決めているだろうし」
「じゃあ今日は”ガルーラ”に行こう」
「……いつ来たの?」
「今さっき」
いきなり話しかけてきて、もう行く所を決めている。そんなこいつこそが「鈴木一郎」。
行き先をいつも決めている人物その人だ。
こいつはヴァンパイアという種族を選んだため外見的にはヒューマンと対して変わらないが唯一違う所はその口。
犬歯が吸血の為鋭く伸びており笑うとよりその鋭さが際立たされている。
瞳は血のように紅く染まっており、耳もエルフほどではないが尖っている。
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