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夜が明け、花火大会の日になった。
俺はいまだに夏海と仲直りをしていない。仲直りというか、夏海の一方的に、なのだが・・・
俺が二階にある自分の部屋から一階のリビングに降りると、すでにリョウとぶーやんがいた。
「なんでいるの?」
リョウとぶーやんの前には、ごはんと味噌汁が置かれている。
「お、おはよ! なんか翔平のお母さんが、朝飯ご馳走してくれてさ」
リョウは箸を動かしながら言った。
ぶーやんは黙々と食べている。
「ぶーやん!」
「あっ、おはよ! 僕たち、食べる気なんて全然なかったんだよ?」
ぶーやんの口元にはご飯粒がついている。説得力など、いまの二人には微塵も感じない。
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