僕らにできること

4/16
前へ
/100ページ
次へ
夜が明け、花火大会の日になった。 俺はいまだに夏海と仲直りをしていない。仲直りというか、夏海の一方的に、なのだが・・・ 俺が二階にある自分の部屋から一階のリビングに降りると、すでにリョウとぶーやんがいた。 「なんでいるの?」 リョウとぶーやんの前には、ごはんと味噌汁が置かれている。 「お、おはよ! なんか翔平のお母さんが、朝飯ご馳走してくれてさ」 リョウは箸を動かしながら言った。 ぶーやんは黙々と食べている。 「ぶーやん!」 「あっ、おはよ! 僕たち、食べる気なんて全然なかったんだよ?」 ぶーやんの口元にはご飯粒がついている。説得力など、いまの二人には微塵も感じない。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加