第6話

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「じゃ、帰るか」 そう言って立ち上がる宮城に詩織はなにか言いた気に見上げる。 「……なんだよ」 「あ、いや、だってこういうのは早いほうがいいかなって」 遠慮がちにそういう詩織。 だから宮城は呆れるように笑って。 「ガキじゃねぇっつたろ?」 「だ、だって――」 「それに」 詩織が立ち上がろうとすると宮城の強い口調に押されて、またソファにポテッと座る。 「こんな格好で行く馬鹿がいるかよ」 そう言われて自分の姿を見れば、納得してしまう。 「うん、そだね。じゃ今度! ね?」 そう言って同意を求める詩織に宮城はクスリと笑って、 「そうだな」 と彼女の頭をポンポンと撫でた。
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