第6話

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 真っ赤なポルシェが大河内家のローターリーに停まる。 「じゃあな」 軽い別れの言葉。 「はい、それじゃ――、あ」 「なんだ?」 聞き返す宮城にくるっと首を回して険しい顔を見せる。 「お見舞い、絶対行ってくださいね! 顔を合わせ辛いなら――」 「お前を呼ぶよ」 あまりに素直な返事に詩織は「へっ?」と声を上げる。 「行く気になったら、お前を呼ぶっつってんの」 「……あ、うん」 なんだか拍子抜けな声。 それに宮城はまたクスリと笑った。 「頼りにしてるからな」 そんな台詞に 「――はいっ!」 詩織も笑顔で答えた。
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