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真っ赤なポルシェが大河内家のローターリーに停まる。
「じゃあな」
軽い別れの言葉。
「はい、それじゃ――、あ」
「なんだ?」
聞き返す宮城にくるっと首を回して険しい顔を見せる。
「お見舞い、絶対行ってくださいね! 顔を合わせ辛いなら――」
「お前を呼ぶよ」
あまりに素直な返事に詩織は「へっ?」と声を上げる。
「行く気になったら、お前を呼ぶっつってんの」
「……あ、うん」
なんだか拍子抜けな声。
それに宮城はまたクスリと笑った。
「頼りにしてるからな」
そんな台詞に
「――はいっ!」
詩織も笑顔で答えた。
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