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「誕生パーティどうだった?」
興味津々な美紀の声。
だけどすべてを話す気にはなれなくて。
「行った、けど、すぐに帰った」
そう返せば、怪訝そうな美紀の顔。
「恭さんと?」
「……宮城先生と」
いいにくそうに口にする詩織に美紀の顔は益々歪んでいく。
「どうしたの? 一体」
「色々あったっていうか……」
こればっかりはプライバシーの侵害というか、個人情報の漏洩というか。
親友の美紀にだって簡単には話せない。
口ごもる詩織を眺めて美紀はじっと見つめて、
それからゆっくりと唇を三日月の形に変えていく。
「なるほど。それであんなに仲良くなったのね?」
「はい?」
「マジで恭さん、諦めたとか? で、宮城先生に乗り換え――」
「ち、違うっ! そんなわけ」
「なら、どんな理由でここにいるのか教えてもらおうか?」
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