第6話

24/37
前へ
/37ページ
次へ
「誕生パーティどうだった?」 興味津々な美紀の声。 だけどすべてを話す気にはなれなくて。 「行った、けど、すぐに帰った」 そう返せば、怪訝そうな美紀の顔。 「恭さんと?」 「……宮城先生と」 いいにくそうに口にする詩織に美紀の顔は益々歪んでいく。 「どうしたの? 一体」 「色々あったっていうか……」 こればっかりはプライバシーの侵害というか、個人情報の漏洩というか。 親友の美紀にだって簡単には話せない。 口ごもる詩織を眺めて美紀はじっと見つめて、 それからゆっくりと唇を三日月の形に変えていく。 「なるほど。それであんなに仲良くなったのね?」 「はい?」 「マジで恭さん、諦めたとか? で、宮城先生に乗り換え――」 「ち、違うっ! そんなわけ」 「なら、どんな理由でここにいるのか教えてもらおうか?」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

406人が本棚に入れています
本棚に追加