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いきなり降ってくる声に見上げれば冷たく見下ろす宮城の視線にぶち当たる。
だから、詩織は咄嗟に顔を背ければ、
「だって、こんな話教室では出来ないでしょう?」
変わりに美紀がにっこり笑ってこう答えるから、宮城は苦々しげに顔を歪めた。
ここは数学準備室。
美紀と詩織の手はマイセンのカップが握られてその中には温かい紅茶。
「ここはサテンじゃねぇぞ」
「数学準備室でしょう?」
さらりと返す美紀の声に詩織はカップに口付けながらコクコクと頷いた。
SHRが終わって1時限目が始まるまでの小休憩。
宮城よりも先に来てお茶をするその姿に「ったく」と言いながら宮城は折角整えた髪をかきあげてソファに座る。
「俺にも飲ませろ」
「あ」
そう言って奪ったのは詩織の手にあったカップ。
それを一口飲んで、
「ぶっ、なんだ!? なんで紅茶に砂糖が入ってんだよ!」
噴き出しそうな勢いで叫ぶ宮城。
「――い、入れないと飲めないもん!」
そんな二人のやり取りに、美紀は「ふーん」と鼻を鳴らして紅茶を啜った。
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