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ここは隔離校舎の一室の前。
部屋の真ん中の机でひたすら本を読んでいる異色のソイツに興味が湧き、俺は部屋の扉を開けた。
「...?...ダレ...?」
ソイツは首を傾げ、不思議そうに俺を見つめてくる。
その時、よく見えなかったソイツの顔を初めてみた。
ただ純粋に綺麗だと思った。
家にあったフランス人形のようだと。
一瞬で俺はコイツ興味を持った。
「お前、名前何て言うんだ?」
「....ナマ....ェ?」
「...あっ!俺は...っ真琴だ!!園田真琴!!」
「...ソノ...?」
「真琴だ!何だお前、喋れないのか...?」
ソイツはしばらく考えるように首を傾げ、首を縦に振った。
「そっか...なら俺が友達になって、話し相手になってやるよ!そしたら、いっぱい喋れるようになる!絶対だ!」
俺はソイツの目の前まで行き、手をさし出した。
ソイツは一瞬驚いたように目を開いたが、直ぐに嬉しそうに笑い、手を握った。
その笑顔に嬉しくなり、俺も握り返した。
これが俺とハナの出会いだ。
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