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「な、なんで私………………他の子と帰った方が良いよ…?」
「なんで?ってあ、遠回しに断られてる…?ぅわ、ごめん…。」
笑顔だったその顔が急にしょんぼりするので反射的に
「ちがっそうじゃなくて、断ってる訳じゃなくて!」
それを言ってしまった為に、咲良は掴んだままのさくらの腕を引いて教室を飛び出して、
「じゃー帰ろっ!」
と笑顔で言った。
「…え、ちょ、良永く…」
「じゃあ走ろう!」
と咲良はさくらを引っ張りながら走り出した。
「ぇええええええっちょっとおおおおおお!!!!!」
走り出した咲良は止まらない。
下駄箱までまっしぐら。
教室の方から感じる目線にさくらは怯えつつも振り払うことなく、ついていった。
そして、小声で
「………………明日覚悟しとかないと………………」
と言って、小さく笑った。
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