プロローグ 『Somebody Rainy Day』

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「私はね、君が物心ついた頃からあることないこと全てを叩き込んできた。……そのつもりだったよ。一般的な学問から能力者としての、能力使用の心得から、果ては破壊工作の知識や格闘術に経済の転がし方まで。私に教えられないことはコーチを雇ってまで教えさせた。 君はその全てに応え、その全てを熟達の域まで昇華させた」 「私の人生、必ずしも順風満帆な筋書きとは言えないまでも、恐らくのところ、後悔すべき汚点は殆ど存在しない。そうは思っていたが、秋哉。 君を更正させられなかったのは、誤解しないでくれたまえ、これはあくまで父として、非常に悔いの残る、非常に悔しい! ……そう思わせる数少ない事象の一つなのだよ」
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