第一篇-滅亡-

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「かの宣言を呑めば日本はどうなると思うね?」 会議か終わって解散するとき、佐々木は西郷に問うた。 「そうですな、日本は米英に支配されるでしょう。私は開戦時の外相ですから当然として、ほかには戦時中の歴代首相に閣僚及び軍上層部は皆戦争犯罪人として扱われるでしょう。」 「戦争犯罪人かね…。いったいどういった基準なのだ?」 「さあ、彼らの植民地を奪ったことでしょうか?規模の大きな窃盗と言えば良いでしょうか、前例が無いのでわかりませんな。」 「海の向こうからやって来て力で押さえ付け支配をし、それを解放しようとすれば犯罪か。 やっていられんよ、全く。」 「しかし負けてしまえば何も言えますまい、せめて民の生活をなんとか保証してもらえれば良いのだが。」 あたり一面に広がる荒れ地を見ながら言う。 大震災から復興し、東洋一の大帝国の主府たる偉容を誇っていた面影はもはや無い。 「沖縄の大峯海軍中将からの電文を閣下はご覧になりましたか?」
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