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N大・高度救命救急センター 30床のベッドを有し、 常に研修医を含め28人の医師が所属。 『すべての患者様に救命医療を提供します。』 それがシンプルだけどN大の高度救命救急センターの理念。 長年そこの医局長を務め、 少し仕事をセーブした時期から センター長兼 救命集中治療医学講座の教授に収まった親父は、 家の中では、全然昇進もせず 相変わらずの扱われ方で お袋や姉貴に良いようにあしらわれ 友達の家に行けば、 良いムードメーカーみたいなおっさんで、 尊敬できる要素は全く家の中じゃ見受けられなかったが、 職場でも近隣の同業者からも、 一目置かれたおっさんだと知ったのは大学生の頃。 俺は、親父みたいな医者になりたい…と、 迷いもなく救命を志願した。 すべての事を貪欲に吸収したいと 勉強は今までの比じゃないほど頑張ったし、 大学内でも、研修の時も、 期待を受けていたし、 やりがいも感じていた。
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