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「腐ってるとは聞いていたけど…」 姉貴の呟きに 「小春は知っていたの?」と隆ちゃんが問いかける。 コクリと頷いた姉貴は、 「アタシの同期も医療センターの内科にいるんだけど… うちの救命は腐ってる…って言い放ってた。 自分の患者さんを一時的に退院させても 急変が有って自分が勤務していないときだったら 間違いなく付属の救命に搬送してほしいと思うって言ってた。」 へぇ…どの先生だろう… 他の科も割と9時5時で…ってタイプの先生が多く、 無駄に人数いるから夜勤とか深夜勤が少なくって、 医療センターは勤務するなら最適って 緩く働いてる人が多いんだけどな。 「だーいちゃーん!」 修平が俺の膝に乗って、 暗くなった雰囲気を取り成してくれた。 子どものいる時に話す内容じゃなかった。 「なんだー?ちゃんとピーマン食べたか?」 向き合うように座らせて修平に意地悪を言うと 「 じーちゃんが食べたら俺も食べるよー」 鼻歌を歌うように返事を返して 一気に雰囲気が明るくなった。 柴崎先生と親父が 孫を愛おしそうに見つめ、 長年の親友がこうして家族になったのを、 俺は羨ましく思う。
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