第1章

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朝もまだ早い時間に、ある部屋に男女がいた。 「これ読んで。」 と、男の方が言う。女の子は紙を受け取り中を見れば、信じられないという顔で男の方を見るが、男はニヤニヤしながら早く、とただ急かすのみ。女の子は諦めて読む。 「わ、私は…あなた様が…ず、ずっと…」 「ずっと、なに?」 男は楽しむように女の子の方を見ながら笑っている。女の子は観念して、また続きを読み始める。 「…大好きです。」 「それで?」 女の子は顔を真っ赤にさせながら、少しつっかえつつ、読んでいく。 「差し支えなければ、わた、私と…」 「うん?」 楽しむように返事をしてくる男に女の子は限界だった。 「っ…!王子!もういいでしょ!」 赤い顔のまま、王子と呼ばれた男に怒鳴った。 「なんだ残念。あと少しだったのにな。」
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