第1章

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長い廊下を1人で歩いていれば、まだ朝も早いこともあって誰ともすれ違うこともない。だから朝はちょっとだけ特別。 王子だって黙っていれば、かっこいい。身長178で長身だし、少し癖のある綺麗な黒髪。切れ目だけど、どこか優しそうな瞳。スラッと高い鼻。形のいい唇。民がほおっておかない。性格はあんなだけど。 「それに比べ私は…はぁ。」 「どうしたのじゃ、リール?」 「王様!いらしてたんですね!」 長い廊下の隠し扉を開けて中に入れば王様に独り言を聞かれたらしく聞いてきた。 ここは温室みたいに緑がたくさんあるけど温室じゃない。どちらかというと自然の森に近い環境。そしてここを知っているのは、王様と王子、私でちょっとした秘密基地だ。 昔はよく三人でここで遊んだ。思い出がたくさんつまっている場所なのだ。 「王様。私なんかが王子の隣にいていいんでしょうか。」
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