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「……フ……フハハハ……ハハハハッ!」
もっと殺そう、まだまだ殺したりない。
いつの間にか兵士が取り囲んでいたがそんなことは関係ない。
ただその恐怖に染まった表情を絶望にかえるだけだ。
「止まれッ! 貴様はすでに包囲されている」
なるほど周囲の建物の屋根から無数の弓兵がこちらを狙っていた。
「フハハハハハハァ! いいぜ止まってやる。さぁ射ろよ、無抵抗な獲物なんて楽だろ。ほら早くしろよ! 俺の家族にしたようになァ! 」
「貴様ァー! 放てッ! 」
隊長らしい兵士が怒りで顔を真っ赤にして叫んだ。
それと同時に数百本の矢が空を黒く変える。
雨のように降り注いだ矢は俺に当たる寸前に全て灰となった。
「……ぁう……わぁぁぁぁぁぁぁ」
自棄になって飛びかかってきた兵士たちを一刀で斬り伏せる。
その光景をみて隊長は背を向けて逃げ出す。
俺は一気に距離を詰め、その足を切り裂いた。
「うがぁぁぁぁぁぁぁ……ハァハァ……頼む……み、見逃してくれぇ」
そいつは這いつくばって見苦しく命乞いを始めた。
「お、俺たちは命令されてだな……仕方なく街を襲ったんだ……だから命だけは……とらないでくれぇ」
「そうか、その命令を出した奴はどこにいる? 」
俺が尋ねると、そいつは媚びた笑みを浮かべて言った。
「あ、あの丘にある……お、お屋敷でさぁ」
少し離れた場所にある豪華な屋敷を指差す。
その顔にはなんとか自分は助かったという安堵の表情が浮かんでいる。
「わざわざ教えてくれて手間が省けた。お礼に苦しめずに殺してやるよ」
「……えっ? 」
呆けた顔をしているそいつの胸に赤く光る剣を突き刺す。
「ギャああアアぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ああ、すまない心臓を狙ったが外したたみたいだ。まぁ、もうすぐその苦しみからも解放されるから安心しろ」
そいつは胸を掻きむしり苦しみ抜いて絶命した。
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