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昼休み。
空は晴天。鳥の声も囀ずるいい日和だ。
そんな空の下、俺・神楽坂晋介は昼食を食べるため、広場に来ていた。
「んなぁ~、いい天気だな。こりゃ、絶好の昼寝日和~……なーんてな」
俺は伸びをしながら、隣をチラリと見た。
「晋介……お前さん、また生徒が探しにあちこち走り回るから止めとけよ?」
やれやれと言うジェスチャーをしているのは俺のカゲ・暗祭。
犬の面を付けていて表情が分かりにくいが、多分呆れてるに違いなかった。
「冗談に決まってるだろ?」
「ばっか、冗談にならねーから言ってんだよ!!誰だっけ?この前、お前さんを探しに来たのは……」
「アハハ、気を付けますよ」
そう言いながら、俺は側に建っている噴水の縁に腰掛けた。
「……なぁ、晋介」
風呂敷の結び目をほどいている俺に、暗祭は問い掛けた。
「んー、何だ?おっ、ツナ卵焼き発見♪」
「お前さん、何で食堂に行かないんだ?」
───ピタリ
暗祭の言葉に、俺は手を止めた。
顔を上げると、腕を組んで少し暗い表情をした顔があった。
「何でって……、そりゃあ、ここが好きだから?」
「何で疑問文なんでぇ……。ちげーだろ、晋介。お前さん…………」
「まだあの二人のこと気にやんでんだろ?」
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