プロローグ

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「おい!飛鳥!10番行ったぞ!」 静岡の試合会場、菅沼飛鳥はDFとして、そして相手チームのエースをする役目を負っていた 「くそ、早すぎる!止められない」 エースは彼を抜き去ってさらにGKまでかわして点を決めた 「これでハットトリックだな」 満足そうに自陣へと帰っていく10番 彼の横を通り過ぎるとき 「お前、サッカー下手くそだな笑笑 ファールしてでも止めようとか思わないわけ?」 「君!私語は慎みなさい」と主審 「すみませーん笑笑、まあ俺は事実を言っただけですけどね笑笑」 そして試合はあっという間に終わった… 結果は4ー0、そしてグループでは最下位 翌日の順位決定試合はなんとか最下位は逃れたものの、チームの雰囲気は最悪なものだった… 帰りのバスの中・・・ 「俺、サッカーやめようかな…」 飛鳥はぼそっと独り言を呟いた 「ん?なんか言った?」 「いや、なにも」 隣に座ってたチームメイトの質問に、本心を言えないまま、クラブハウスについた 「整列!」 「気をつけ!三年間ありがとうございました!」 チームのキャプテンはそういうと全員があとに続いて礼をした またな! またサッカーやろうぜ! そんな言葉を交わして帰路につく 飛鳥は親の迎えを待つためひとり残っていた そんなときにコーチがきて 「お前サッカーやめるのか?」 「俺の独り言、聞いてたんですか?」 「まあな、で、どうなんだ?」 「正直俺、挫折しました、もちろん下手なのは分かってましたけどその分俺は努力してきたつもりです でも、ちょっと今回のは立ち直れそうにないです」 「そうか、俺も無理にお前に続けろ、とは言わないこれからお前は高校へ進学するからそしたら新しい道でも探せばいいんじゃないか?それでやりたいと思ったことをやってみろよ そしてその道を極めてみなよ」 「それじゃあな」 「ありがとうございました!」 彼は礼をして、ちょうどきた親の車に乗り込むのだった
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