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「それじゃあ、出発しますよ! それにしてもまた、お台場に行くとは思わなかったよ。二人とも大分酔っ払っていたし、冗談かと思った」
車を発進させ視線は前に、鼓膜は後ろへと集中した。
「信介さん。仕事が始まったら秋雄さんは忙しいし、三人で出掛ける機会って滅多になくなるんじゃないかなって思ったの。酔っ払っても、いつでも本気です!」
くすくす笑う絵恋に、俺も釣られて半笑いになった。
――この夫婦。もしかして似た物夫婦ってやつじゃ……。
「今日も目一杯遊ぼうぜ。仕事の事なんて考えたくもないよ。俺の仕事ってさ、お客が全員帰らないと店も閉められないし、いつも遅くなってしまうんだよなぁ。
でもこれからは自宅で、絵恋がいつも待っているかと思うと、ぐっとそれも耐えられるよ」
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