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「それに……信介さん覚えている? 結婚式にいた信子。日本に帰国してから有沙と七姫に連絡して見たけど、あれから行方不明らしいの。会いに行ってみようかと思って――」
赤風信子。一時だけ仲間だった人……絵恋さんの親友。探しても、もう見つからない。
でもそれを伝えられないのが、もどかしい。できれば絵恋さんには関わってほしくないのに。
「そうだったんですか……彼女、とても綺麗な人でした。早く見つかると良いですね」
「……そうね。凄く心配だわ」
さっきまで笑っていたのに、悲しい瞳になってしまった。
「え、絵恋さん。今はそのことは忘れましょう。大好きなピカピカの定理のことだけ考えましょう!」
「そうだよ絵恋。折角の新婚旅行だ。いつもの可愛い笑顔でいてくれ」
「……ありがとう二人とも。――私、あけるのとびらの番組も好きなんです! 楽しみ、早く着かないかな!」
絵恋は窓の外に視線を移し、笑顔を取り戻したようだった。空は晴れ渡る水色で、天気も良い。動きやすそうな日の明かりだった。
「道路も空いているし、これなら早く着きますよ」
ニジテレビの周りには、遊べる場所だけじゃなく、様々な商品が購入できるスポットも多数ある。いつも人ごみで溢れていて、活気のある町並みだった。
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