第29話

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「おや? 君はキョチョじゃないか! 偶然だねぇーアゲアゲ~!」 ――そのブレスレットのチャラさ……やっぱりそうだったか! 「信介、この人は馬なんでしょう? 武将じゃないよ」 「そうだよ。どこが趙雲なの?」 「あーだからこの人は赤兎馬の格好をしているけど、名前は趙雲と言って……だからね本名なのよ」 双子はきょとんとしていた。 ああ……ややこしい! 趙雲は耳の側へ口元を寄せた。出っ張った馬の鼻が同時に俺の頭にぶつかった。 「……盗聴器の調子はどう?」
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