第29話

5/32
前へ
/32ページ
次へ
「はーい! それでは皆さん。こちらの電光掲示板を見てくださいませ!  私がこのボタンを押しますと、こちらに一つづつ、数字が表示されます。 万が一、見逃してしまった方は後ろのスクリーンに過去に出た数字が掲示されますので、ご安心を! それではボタンを押しますよ~!」 司会者が、時限爆弾の装置のような大きな真っ赤なボタンを押すと、グルグルと電子掲示板の数字が回りだした。 「始まったぞ、最初の番号はなんだろうな? 人が沢山いると、ビールもうまいなぁ!」 「そうね、秋雄さん! 私も飲んじゃおうかな……日本に帰ってきても楽しいし、結婚って本当に幸せ!」 ――けっ。暗くなった会場でドサクサに紛れて、またいちゃつきだしたな。 俺と旅行に出掛けてくれる、可愛い子ちゃんはいないかなぁ~。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加