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「俺は桜子が好き」
きっぱりと晴人は言う。
「勿論、あたしも晴人が好きだよ。
けどね、まだ恋人って実感がないんだ」
晴人の『好きだ』って言葉信じたいの。
信じたいのに信じれないの……。
ガチャリ……
あたしはゆっくりとドアを開いた。
「桜子……」
あたしの視界に晴人が入ってきた。
晴人があたしを呼ぶ声はやっぱり心地いい。
「ごめんね。
いつも素直になれなくて晴人の事信じれなくて……。
嫌な子だよね……。
ホント、ごめん……」
晴人にしがみつく。
涙が次から次に溢れてくる。
あたし……泣いてる。
もう一生分泣きつくしたって思ってたのに……。
涙が残ってたよ……。
「それでいいんだよ。
そのままの桜子でいいんだよ」
あたしの涙を拭いて晴人は微笑む。
「あたしみたいなのでいいの?」
我が強くて乱暴で優しくする事がわからない。
そんなあたしでもいいの?
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