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「『あたしみたい』とか言うな。
俺は桜子じゃないといけないんだ。
恋人に大事なもの色々ある。
けどさ、一緒にいて心地いいって感じれるの凄くステキだと思わないか?」
そう言って晴人はあたしの頭を撫でる。
心地よさか……。
それって大切なのかもしれないね。
「あたしも……。
晴人といると心地いいの。
意地悪だって平気で言えるし冗談だって言える。
飾らなくていいから余計に言葉とか乱暴になっちゃって……」
素直になれるんだよね。
でも優しくなれないの。
感情はモロだせるのになんでなのかな……。
「女の子らしい桜子も逞しい桜子も全部桜子なんだ。
それを恥じる事はないよ」
ニッコリと晴人は笑う。
晴人は誰にでも優しい。
その優しさは晴人の宝なのかな……?
「歯が浮くような台詞。
やっぱ、晴人が一番似合う」
平気でキザな事を言う。
軟派な奴と思われるかもしれない。
顔が顔なだけに……。
でも不思議と似合うんだよね。
「うん。
桜子節が出てきた。
よしよし」
意地悪を言うあたしの頭をガシガシと晴人が撫でた。
「いい子いい子するな」
あたしはわざとらしく晴人の手を払う。
お気に入りのシニヨンが壊れる。
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