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「岳はあとでシバくとして、あたし姉の桜子。
よろしくね。
晴人、中に入ろうか」
あたしは由果ちゃんに軽くおじぎをして、晴人の手を引いた。
若干、ビビったような顔をした岳弥の顔が目に入ったが気にしないでおこう。
「お、おう」
ズルズルとひきづられるように晴人は部屋の中に入る。
「じゃあね」
晴人を部屋の中に押し込んであたしは由果ちゃんに挨拶を交わした。
***
――あたしン部屋――
「うりゃ、うりゃ、うりゃ!!」
あたしはぶら下げてあるサンドバックを殴る!殴る!殴る!
「んー。
サンドバッグを殴る桜子。
カッコイイなぁ~」
あたしの姿を見て晴人は何故かうっとりしてる。
「何で男って奴はデリカシーないのよ!!」
あたしが殴った余韻でサンドバックがプランプランと動いている。
「本能で生きてるようなもんだしな」
あたしをみながら晴人は平然と言う。
本能……ね。
まぁ、いっか。
「恥ずかしかった」
ガクリとあたしは肩を落とす。
あんなシーンを身内に見られる程恥ずかしい事はない。
「うむ」
コクリと晴人は頷くが何故か対して気にしてないようにも見えるのはどうしてなんだろう……?
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