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頬に、空いている方の手を添えて、ピンク色の薄い唇に自分のそれを重ねた。
見た目より柔らかいそれに、心臓がバクバクいっている。
離すタイミングがわからなくて、ずっと静止していたが、彼が行動を起こした。
俺の手を握ってきた両手を俺の首の後ろに回して、梓の方に引き寄せられた。
「ちょっ…マジで…?」
咄嗟に唇が離れて、現実を見ると、俺が梓を押し倒したような体勢になっていた。
思いの外大胆な梓の行動に、それを望んでいたはずの俺も混乱してたじたじになってしまった。
「シないの?」
「そりゃシたいけど…なんか…」
思っていたのと違うというか…。
「なんでもないや!」
折角誘ってくれてるんだし、二人きりだし。
コトに夢中で、途中で襖を開けられてビビった。
開けたのは圭ちゃんだった。
「…布団、一つで良かったんちゃう?」
Fin
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