聖夜

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結局買ったのは革の色合いが綺麗なキーケース。 そして、 「無駄遣いって、怒られるかな?」 綺麗な箱に入れられたコインケース。 あると便利かなっと思って買っては見たものの、頭の隅には恭の台詞がリフレイン。 そんな詩織とは対照的に美紀はご機嫌で購入したバッグを眺める。 「無駄なもの買ったの?」 「そうじゃないけど」 「じゃ、いいじゃない」 確かに使えるものだし、前にあげたのは折財布。 手にあるのはコインケース。 だから、 「うん、無駄じゃない」 そう呟いて詩織は袋の中にそっと入れた。 「次はどこ行く?」 「あっ、クリスマス用のドレスが欲しい! それと、それに合ったアクセとパンプス!」 「ん? パーティーなしって言ってなかった?」 不思議がる美紀に詩織は飛び切りの笑顔を。 「家族だけでやるの!」 恭にパパ、鈴花にケイン、それはきっと楽しいクリスマスになるはずだから。
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