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「このように、容姿が多少かぶっていてもキャラはなかなか被らないものなのです! しかし!」
妙はそう叫びクラス名簿を教卓に叩きつける。クラス名簿はもう既にボロボロだ。その瞳はクラスの全員を見据える。
「……あのー、私たち戻っていい?」
その前に、という前置きと共にかけられた団長の言葉に「ええ、いいですよ」と妙は笑う。そして咳払いをし、もう一度クラス名簿を教卓へと叩きつけた。
「この二十二人の中で、未だにこの作品の形態に慣れていない人達が十四人もいるのです!」
そう言った妙に、「いや半数以上だろそれ」とアレスタントがつっこむ。彼女もなんだかんだで馴染んできたらしい。
「ええと、名前は鈴蘭です。……そもそもこれ、学園ものじゃないんですか?」
そうおずおずと手をあげたのは男物の袴をきた和装の少女。腰には赤鞘の刀を下げている。
「学園ものなんて腐る程あります! そういう純愛っぽいのは他の作者に任せておけばいいのです! 我々に要求されるのは低俗なネタとメタ、何よりヒロイン力です!」
そう言った妙に、鈴蘭は「なんだかなぁ……」とため息を吐く。
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