ヒロインの属性で住み分けをしましょう

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「こほん。では、今まで一度も発言していない四人はこちらへ。何故発言しなかったのですか?」  なんか尋問みたいになってる、と同情の視線が教壇に集中する。右から、長い黒髪と赤い瞳をを持つ快活そうな少女。他の人に比べて化粧っ気のある茶髪のロングヘアーを持つ女性。茶髪のポニーテールに黒い瞳を持つ精悍な顔つきをした少女。青髪を後ろで束ねた、深緑色の瞳を持つ女性。  彼女たちの言い分はこうである。 「櫻庭彩花(さくらば あやか)です。……えーっと、人数多くてあんまり入っていけなかったと言うか……ごめんなさい」 「菅原美野里(すがわら みのり)です。ええと、昨日あまり寝てなくてちょっとウトウトしてたら話がわからなくなってて入っていけませんでした」 「白川 鈴(しらかわ すず)です。彩花ちゃんに同じく」 「ジューリア・ハクバーツだ。……その、委員長が言いたいことを全部言ってくれていたので私は特に言うことがなかったというか」  市川妙はうむむ、と頭を抱える。その時、ガラガラっと引き戸が開いて黒スーツに眼鏡をかけた黒髪黒目の純日本人に見える男性と、白い髪に蒼い瞳を持つ笑顔を称えた男性が入ってくる。服装は同じく黒スーツだ。 「貴方たちは普段日常生活を送る上でキャラかぶりを気にしますか!? 気にしないでしょう! ○○ちゃんとキャラかぶってるから私は発言しなくていいやとはならないでしょう!」 「うわ、本当に全員喋ったら来た。でも、立川先生の言う通りですね! たまにはいいこと言うじゃないですか!」  妙の言葉に立川先生と呼ばれた黒髪の男性は「たまには余計です。……ええと、ヒーロークラス担任の相模先生からお話があります」と横の白髪の男性に話すことを促した。
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