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「痛いなぁ、何さー?」
目が覚めたらしい赤いボサボサの長い髪を持つ女子生徒は面倒そうにきょろきょろと黒いジト目で辺りを見回した。その首には夏だというのにも関わらず黄色いマフラーが巻かれている。
見回してからもやはり状況が全く把握できていないのか「ナニコレ」と一言呟く。市川妙はそんな彼女に「自己紹介をしてください!」と促す。
「自己紹介って四月にやったじゃん……面倒なんだけど」
「やってください!」
市川妙に押し負けたのか、少女はマフラーで口を隠してから「……団長って言います。趣味は特にないです。しいて言うなら読書です」と一礼した。
「本当に最低限ですね団長ちゃんは!」
「面倒だし……なにより恥ずかしいし」
「このように、彼女は無類の面倒くさがりで寝坊助! そしてなによりシャイなのです!」
「しょうがなくなったらちゃんとやるけど見られてない時くらいはだらけてたいっていう思考だよ」
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