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普段は穏やかな甲斐の国。信濃。
しかし、今日だけはそんな穏やかな日常を感じさせぬほど信濃のしろ、上田城はバタバタしていた。
「いいか!今日は重要な同盟相手奥州からの同盟の打診、会談でもあるのだ!手を抜いてはいかんぞ!」
上田城の主、真田昌幸は家臣たちにそう言い気合を入れさせる。
そんな騒がしい城の門の前で昌幸の息子。真田幸村は出迎えの準備をしていた。
いつもなら冷静な幸村だが、今回は床に伏している甲斐の国の国主。武田信玄から直々に任された役目で、冷や汗が止まらなかった。
(お、落ち着け真田幸村!ココで失敗したら親方様に合わす顔がない!!)
どうにかして落ち着こうと努力する幸村。
しかし、時間が待ってくれる訳もなく遠くの方から目的の一団が見えてきた。
「来ましたか。父上に知らせてきてください」
「はっ!」
近くにいた足軽に冷静に指示を出す幸村。
相手は馬に乗っていたため、あっと言う間に幸村の前に到着した。
来たのはわずか10名ほどで、先頭を走っていた2人の男が馬を下り、歩いて幸村の方へと近づいて来た。
来たのは奥州の国主伊達政宗だ。
今回の同盟相手である。
政宗は噂通りの三日月の前立てを携えてやってきていた。
「奥州国主、伊達政宗だ」
「お待ちしておりました。某真田昌幸が息子、真田幸村です。ようこそ、上田城へ」
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