第1本:煌めいて 揺らめいて

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 宴会の部屋から少し離れた小さな中庭。  そこは騒がしい音は聞こえず、静かな空気が流れていた。 「随分と飲むんだな」 「元々お酒には強くって」 「とてもそんな風には見えねぇけどな」 「よく言われますよ」  そう言い、お酒を口の中に入れる幸村。  一方の政宗はお酒を注いだだけであまり口にはしていない。 「伊達殿・・・そんなに弱いんですか?」 「滅茶苦茶弱くてな。おかげであいつらと飲み比べもできねぇよ」 「そうですか」 「そう言えば。なんでお前、俺に話しかけた」  池の庭を見ながら政宗は話を変えた。  不意の質問に幸村は「へ?」っと気の抜けた声を出してしまった。 「何でさっき俺に話しかけたんだって聞いてんだ。もう酔ったのか?」 「い、いえ!酔ってませんよ!」 「じゃ、さっさと答えろ」 「そうですね・・・特に理由はないですよ。ただ、伊達殿と話をしてみたかっただけです。それではダメでしょうか?」 「・・・そうか」  コイツはきっと直感で動いてるんだな。  政宗はそう心の中で思った。  政宗の言葉に幸村は微笑み、再び酒を口にした。 「本当、よく飲むな」 「そ、そうですか?」
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