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宴会の部屋から少し離れた小さな中庭。
そこは騒がしい音は聞こえず、静かな空気が流れていた。
「随分と飲むんだな」
「元々お酒には強くって」
「とてもそんな風には見えねぇけどな」
「よく言われますよ」
そう言い、お酒を口の中に入れる幸村。
一方の政宗はお酒を注いだだけであまり口にはしていない。
「伊達殿・・・そんなに弱いんですか?」
「滅茶苦茶弱くてな。おかげであいつらと飲み比べもできねぇよ」
「そうですか」
「そう言えば。なんでお前、俺に話しかけた」
池の庭を見ながら政宗は話を変えた。
不意の質問に幸村は「へ?」っと気の抜けた声を出してしまった。
「何でさっき俺に話しかけたんだって聞いてんだ。もう酔ったのか?」
「い、いえ!酔ってませんよ!」
「じゃ、さっさと答えろ」
「そうですね・・・特に理由はないですよ。ただ、伊達殿と話をしてみたかっただけです。それではダメでしょうか?」
「・・・そうか」
コイツはきっと直感で動いてるんだな。
政宗はそう心の中で思った。
政宗の言葉に幸村は微笑み、再び酒を口にした。
「本当、よく飲むな」
「そ、そうですか?」
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