隣にいたい。

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「…蓮?」 強く抱きしめられ過ぎて痛いほど。 蓮の腕の中だから周りの状況がさっぱり分からないけど、ザワザワ言ってることだけは分かる。 「れ、ん…私、あの……」 この状況が理解出来ない上に、自分の言ったことが恥ずかしくてテンパる。 蓮はゆっくりと私から離れ、真っ直ぐに私を見る。 私を見る蓮の目はとても優しく、泣きそうで、微笑んでいた。 「蓮、ごめ、」 「バーカ」 謝ろうとしたのに、蓮の言葉に遮られ、おデコにデコピンをくらう。 凄く痛いのに、デコピンをくらって「バーカ」と言われたのに…それが凄い嬉しいなんて、どれほど蓮を好きなのかを実感させられた。
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